トウモロコシの採れたての甘さは格別で、家庭菜園ならでは楽しみです。
7月中下旬頃に収穫する作型が標準的ですが、トンネルを使えば6月には収穫でき、抑制栽培をすれば10月頃まで収穫できます。
トウモロコシは交雑しやすいので品種を統一する
トウモロコシの品種を選ぶときに、極力品種を統一する必要があります。
トウモロコシの花粉は、風の乗って飛ぶ「風媒花」で、同じ株同士よりも、他の株の花粉の方が授粉しやすい「他家受粉」という特徴があります。
したがって、異なる品種の花粉がかかると交雑してしまい、異なる特性が現れ、味も大きく落ちることがあります。
極端な例を挙げれば、スィートコーンと飼料料のデントコーンを近くで栽培すると、交雑してしまい、甘くないスィートコーンができるといった具合です。
でも家庭菜園では、飼料用のデントコーンを栽培することや、出荷・販売することは稀でしょうから、そこまで気にしなくてもいいかも知れません。
なお、あくまでも花粉が飛ぶ時期が重なることが問題なので、栽培時期をずらして複数の品種を栽培することは問題ありません。
スィートコーンの種類は、大きくわけるとゴールデン、バイカラー、ホワイトの3種類
トウモロコシは、まずは主に飼料用のデントコーンと甘いスィートコーンに分かれますが、スィートコーンはその色で、全ての粒が黄色いゴールデンコーン(黄粒種)、全ての粒が白いシルバーコーン(白粒種)、黄色と白が混じったバイカラーコーン(バイカラー種)の3つに分けられます。
ゴールデンコーンの特徴と主な種
主なゴールデンコーンの品種としては、サカタのタネ「ゴールドラッシュ」シリーズが代表格と言えるでしょう。
ゴールドラッシュには、早生の「みわくのコーン」から、中生の「ゴールドラッシュ88」、中晩生の「ゴールドラッシュ90」など、播種から収穫までの期間が異なる複数の品種があります。
そのほか、タキイ種苗の「おひさまコーン」や「キャンベラ」等も人気の品種です。
バイカラーコーンの特徴と主な品種
黄色の粒と白い粒が、3:1の割合で混じっています。黄粒種と白粒種を掛け合わせて作られた品種で、糖度が高いことから人気で、市場では最も多く出回っています。
主な品種としては、サカタのタネ「ピーターコーン」、タキイ種苗「カクテル84EX」などがあります。
シルバーコーンの特徴と主な品種
シルバーコーンは、希少種で、糖度が高い品種もあることから人気がありますが、栽培はやや難しいと言われています。
主なシルバーコーンの品種としては、雪印種苗「ピュアホワイト」、サカタのタネ「クリスピーホワイト」、タキイ種苗「ホイップコーン」等があります。
基本は7月~8月に収穫する品種をメインに
スィートコーンの生育の適温は23℃~25℃程度と高温で、強い光を好みます。したがって、最も生育に適した作型は、4月~5月に種をまき、3ヵ月後の7~8月に収穫することが最も標準的です。
1回または2回ののみ種まきする場合は、この時期に行うことが基本となり、最も作りやすいのも、この作型となります。
その前に早まきや、その後に抑制栽培を併せる場合でも、このメインの作型を中心として、品種や種まき時期を考えることがよいでしょう。
早まきすれば、アワノメイガの食害を避けられるかも?
トウモロコシの最大の害虫は、アワノメイガと言えるでしょう。
アワノメイガの発生時期は、気温が高くなる6月~8月で、1回にとどまらず、2回、3回と発生することがあるようです。
アワノメイガが発生する前に収穫してしまえば、その被害に遭うことはありませんので、それが理想です。
5月中に収穫するには、逆算して2月には種をまく必要があります。
ただ、トウモロコシの生育には、おおよそ22℃以上の温度が必要になりますので、ポット等で育苗した後、畑ではトンネル栽培することで、まだ気温が上がらない時期に生育させます。
難しいようでしたら、3月の種まきでも、収穫は6月に入ってしまいますが、アワノメイガの発生のピークよりは早く収穫でき、被害を避けることができる可能性が高まります。
抑制栽培で秋まで長く収穫する
トウモロコシは、品種によっては、通常より遅く種まきや収穫をする抑制栽培ができ、上手く育てれば、10月頃まで収穫することができます。
抑制栽培に適した品種は、耐暑性に優れ、種をまいてから実が熟すまでの期間が85日以上あり、草勢が強い品種が適しているとされています。
人気の品種、ゴールドラッシュの中では、「ゴールドラッシュ90」が抑制栽培にも適しています。しかもこの品種は、根張りが強く強風でも倒れにくい特徴があり、台風も発生する季節だからこそ、その強みを発揮できます。
そのほか、タキイ種苗の「おひさまコーン88」や「キャンベラ90EX」などもお奨めです。
2023年コアシスファームトウモロコシ作付計画
2023年のコアシスファームでは、前半はゴールドラッシュ、後半はゴールドラッシュ90で抑制栽培と、全6回に分けて栽培したいと思います。