6月に入ると、気温が高くなる一方で、梅雨入りすると雨が多い季節です。
関東地方では、平年だと6月半ば、早ければ上旬にも梅雨入りすることがあります。
梅雨入りして、連日雨が続くと、家庭菜園などでの野菜の栽培には、いくつか問題が出てきてしまいます。
1つは、単純に雨に予定どおりの作業ができないこと。
5月後半から、6月上旬頃にかけて、なるべく梅雨入り前にやっておくべきことを整理してみました。
2023年の梅雨入りは、例年より早いという予想が出ていますので、なるべく急いだ方がよいでしょう。
玉ねぎやジャガイモは、なるべく梅雨入り前に収穫する
6月上旬から中旬頃に収穫する、いわゆる“土もの”の中で、玉ネギとジャガイモは、なるべく梅雨入りする前に収穫した方がよいでしょう。
玉ネギの収穫
玉ネギの収穫は、できるだけ晴れた日が数日続いて、土が乾いた状態が望ましいと言えます。
地上部が倒伏したら、収穫のサインです。
それ以降も畑に置いておくと、特に雨が多いときには、腐ってしまう可能性が高まります。
地上部が倒伏していなくても、トウ立ちしている場合は、固くなって倒伏していないだけですので、周りの玉ネギが倒伏しているのならば、一緒に収穫してください。
収穫した玉ねぎは、干すことで乾燥させて、長期間保存することができます。
しっかり乾燥するために、特に梅雨の時期は雨に濡れないよう、干す場所や雨除けに注意してください。
ジャガイモの収穫
ジャガイモは、本来保存性が高い野菜ですので、畑の土が乾燥している限りは、ある程度採り遅れても大丈夫ですし、収穫後も比較的長く保存がききます。
特に水捌けの悪い畑の場合などは、何日も雨が続いて、土が過剰に水分を含んだ状態が続くと、イモが腐ったり、病気になったりする可能性が高まります。
また、雨が降って土が濡れている時に収穫すると、保存性が低下し、腐りやすくなってしまいます。
試し堀をしてみて、すでにイモが大きくなっているようでしたら、早めに全部収穫してしまった方がよいでしょう。
雨(過湿)に弱い野菜とは
今でこそ、日本国内で実に多様な野菜が栽培されていますが、原産地を辿ると、雨の少ない地域であったり、砂質土壌が生育に適している野菜などは、雨に弱い、というよりも、土壌が過剰に水分が多い状態が続くと、生育不良になりやすい野菜と言えます。
加湿に弱い野菜で、一般的に6月頃栽培中のものの例として、以下のような野菜が挙げられます。特に気をつけるようにしてください。
- トマト
- ジャガイモ
- サツマイモ
- ゴボウ
- ダイコン
- ネギ類
- カボチャ
- スイカ
雑草を小さいうちに取り除いておく
気温が上昇するにつれて、雑草も生長しやすくなってきていると思いますが、梅雨入りして、たっぷり水を吸収すると、雑草は加速度的に生長して、あっという間に生い茂ってしまいます。
雑草はまさに逞しく生長し、肝心の野菜が競り負けてしまいます。
また、雑草が野菜の周りに茂ると、風通しが悪くなり、病気にかかりやすく、生長を阻害してしまいます。
そうなる前に、まだ雑草が小さいうちに、取り除いておきましょう。
畝には、黒マルチなどを使用すれば、雑草が生えるのを抑えることが期待できるほか、雨の多い季節には、雨による泥はねを防止し、土壌中の菌が葉に付着することによる感染を抑えることや、土が雨によって固くなることも防ぐなどの、多くの効果も期待できます。
水捌けを改善する
梅雨入り前に限らず、多くの野菜にとって、水捌けの良い土が“良い土”ですので、日頃から良い土づくりに励むのはベストですが、梅雨入り前に慌てて土づくりをしようとしても間に合いません。
梅雨入り前に、できることとしては、土寄せや排水溝を切ることが挙げられます。
畝が高ければ、湿害の影響を受け難くなります。過湿に弱い作目の畝は、もともと高く作っておくべきです。
もし、畝の高さが十分でない場合は、土寄せをすることや、畝と畝の間を掘り下げることで、株元が高くなり、湿害を受け難くなります。
また、畝と畝の間に水たまりができるようでしたら、そこから畑の外に水が流れるように、排水溝を切ってやることで、水捌けが改善します。
雨除けを使って、雨の影響を少なくする
雨が直接作物に当たらないように、トンネルにビニール(フィルム)等で屋根状に被覆して栽培する雨よけ栽培も効果的です。
ただし、家庭菜園のような小さな規模だと、大きな屋根を設置することは難しいので、小さな屋根では土壌の過湿を防ぐことはできません。
ですので、雨が直接あたることがで影響がある作物について、雨除け栽培をすれば、効果が大きいでしょう。
例えば、トマトの実に直接雨があたると、裂果しやすくなります。パプリカの場合も、熟すまでに時間がかかりますので、雨にあたると熟すまでに落果してしてしまいます。
これらを防ぐために、雨除け栽培は多く行われていますし、家庭菜園向けの雨除け栽培用の資材を利用するのもよいでしょう。
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