浴光催芽
種イモは、植え付け前に、20~30日間、日当たりが良く、雨などで濡れない場所で、日光にあて発芽させると、丈夫な芽が育ちます。
光がなるべく均等にあたるように、途中で2~3回位置を変えて、催芽むらをなくすようにします。
浴光催芽をすることで、次のような効果が期待できます。
- 植え付け後の生育が促進され、収量の増加とイモの肥大が期待できる
- 茎が丈夫に生育し、徒長が少なくなる
- 芽の出が悪い種イモを選別できる
種イモは切り分ける
種イモの重量は60gよりも大きくても、収量に違いは出ません。ですので、種イモが大きい場合は、30g~60gを目安に、切り分けて使います。
春作は、地温が低いので、腐敗する心配はあまりありません。
一方秋作は、地温が高い季節に植え付けるので、種イモが腐ってしまう可能性が高くなるので、なるべく小さめのサイズの種イモを切らずに使った方が安全です。
優勢の芽は頂部に複数あります。種イモを切り分けるときに、この頂部の優勢の芽が必ず入るように、縦に切り分けます。
なお、親イモとつながっていた「成り口」の反対側が頂部です。
種イモの植え付け 春植えはできるだけ早く
ジャガイモは冷涼な気候を好むため、春作では収穫時期の高温や梅雨などを考えると、霜害の恐れのない限り、できるだけ早く植えた方がよいでしょう。
比較的温暖な地域ならば2月下旬、一般地でも3月中旬までには植え付けます。
畝の中央に溝を掘り、30cm間隔で種イモをおいていきます。種イモと種イモの間に、イモに直接触れないように、肥料を置いていきます。
植える深さは、7~8cm程度が標準と言われます。浅く植えた方が出芽が早く確実ですが、発芽後の土寄せをしっかりやる必要があります。
深く植えると出芽が遅延しがちで、一部出芽しない可能性もあります。マルチを使用する場合は、土寄せできませんので、8~10cmと深植えします。
植え方にもいろいろありますが、ちなみにコアシスファームでは、マルチは使わずに、深さ8cm程度とやや深めに植えています。土寄せを少しでも楽したいという、それだけの理由です。
あとこれは、完全初心者向けのことですが、ジャガイモの植え付け後の水やりは不要です。逆に雨などで土が湿りすぎていると、種イモが腐ってしまうこともあります。
基本は芽を上に植え付け
種イモの植え付けは、株間30cm程度、覆土は通常5~6cmくらい、マルチ栽培は8~10cmくらいとされます。
切り分けた種イモは、切り口を上に向けると断面に水がたまって腐りやすくなりますので、切り口を下に向けて、芽を上に向けて植え付けます。
また、芽を上に向けた方が、早く、確実に芽がでます。
芽を下にして植える逆さ植えもある
基本は芽を上にしますが、あえて芽を下にして植える逆さ植えという方法もあります。
ただし、切った種芋の場合は腐りやすくなるため、切らない種イモを植え付ける場合の方が有効です。
逆さ植えのメリット
逆さ植えのメリットは、太く強い芽が地上に出て来ます。その後の生育も良く、イモの肥大も期待できます。
弱い芽は地上に出てくることが出来ませんので、地上に出てくる本数が減り、芽かきの手間も省けます。
逆さ植えのデメリット
芽を下向きに植えるため、地上部に出てくる発芽まで時間がかかる傾向があります。
また、頻度は低いですが、全く発芽しないケースもあるなど、発芽率が悪くなります。
種イモを切る場合、切り口を上向きにするため、切り口に水が溜まるなどすると、腐りやすくなります。
特に、秋ジャガイモはまだ暑い季節に植えるため、腐る確率も高まります。