ピーマンの定植以降の栽培管理

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ピーマンは、定植以降も初期生育が遅いため、わき芽一番花・果を摘み取り、初期の果実は若どりするなど、まずは背丈を大きくすることを優先することが大切です。

目次

1.わき芽かき:一番花よりしたのわき芽はすべてかき取る

苗を植え付けてから2~3週間経つと、下の方から順番にわき芽がたくさん伸びてきます。わき芽をそのまま放っておくと、栄養がそちらに取られてしまい、背丈が大きくなることを阻害してしまいますので、わき芽かきをします。

ただし、初期生育の段階では、わき芽も光合成を行って、初期生育や根張りを促しますことに貢献していますので、ある程度草勢が出てきて、わき芽も5cm程度と伸びたあとに1番花の下のわき芽はすべてかき取るようにします。

2.一番花・一番果を摘み取る

一番花より下のわき芽をかくのと同時に、一番花も摘み取ります。
すでに果実をつけている、一番果がある場合は、それを小さいうちに摘み取ります。

ピーマンは背丈が低いうちから実をつけますが、実を大きく育てるには多くの栄養を使ってしまい、背が大きくなりません。まずは、株自体を大きく育てることを優先します。

3.仕立て・誘引:管理しやすさと収穫量から3本仕立てがおすすめ

ピーマンの枝は比較的弱く、強風で折れてしまうことも多いので、早めに支柱などで支えて、仕立てることをおすすめします。

仕立て方は、一般的な例でも、2本仕立てから4本仕立てと、様々な方法がありますが、管理のしやすさと収穫量の兼ね合いからすると、間をとって3本仕立てがおすすめです。

本数が少ないほど、管理はしやすく初心者向けとも言えますが、株数が少ない場合は、収穫量も少なくなってしまいます。一方で、4本仕立ては1株から多くの収穫が期待できあますが、茂りが多くなり管理が難しくなりますので、初心者には少し難しいでしょう。

三本仕立て

一番花のすぐ下から勢いよく伸びた側枝を2本残し、主枝1本と合わせて3本仕立てにします。

その後も新たな側枝が生え、枝葉が混み合ってきますが、余分な枝葉は切り落とし、残す枝は広げるようにして、太陽の光が入り、風通しが良くなるように誘引します。

4.追肥は2~3週間おきに

ピーマンは栽培期間、特に実をつけて、収穫できる期間が非常に長いので、連続的に追肥を行って、肥料切れを起こさないことが大切です。
1回目の追肥は、定植後2~3週間後、実を2~3個つけ出した頃を目安として、チッソとカリの追肥をします。その後も、2~4週間おきに追肥します。

施肥量の参考として、神奈川県の施肥基準を示します。
この施肥基準では、6月から1月おきに計4回の追肥が示されています。
2週間おきに追肥する場合は、1回あたりの追肥量は半分とし、総量は同じとします。

必ずしも、決まった間隔や施肥量ということではなく、草勢を見ながら、疲れてきたようなら間隔を短めに、十分元気なようなら間隔を長めにとるなどの工夫が望ましいでしょう。

《ピーマンの施肥例(1m²当たり)》

肥料成分元肥追肥1追肥2追肥3追肥4総量
チッソ15g6g6g6g3g36g
リン酸25g25g
カリ15g6g6g6g3g36g
出典:神奈川県「神奈川県作物別施肥基準」(令和5年5月)※単位を1m²あたりに換算。

5.初期の収穫:若どりして木を大きくすることを優先

ピーマンは、木があまり大きくならない早い段階から実をつけます。しかし、初期段階で実を大きく育ててしまうと、栄養分が実に多くとられてしまい、木が大きくなりません。

例年どおりだと、6月中旬頃に梅雨入りしますが、気温や地温が下がり、日照も少なくなるために、木の生長が鈍くなります。

まずは、木が大きくなることを優先して果実は小さめの段階で若どりします。

梅雨が空け、木が大きくなったら、果実を本来の大きさに生育ててから、収穫してください。

6.梅雨空け後のかん水

苗を植え付けて根が活着したあとは、その後梅雨を迎えることもあり、基本的には自然に降る雨の水だけで十分育ちます。

ただし、梅雨が空けて以降、雨が降らず猛暑日など暑い日が2~3週間続いた場合は、かん水をする必要がある場合があります。

水切れがおきると、草勢が極端に弱くなったり、カルシウム不足による尻腐れ果や、奇形果ができたりしますので、症状から判断して、かん水をします。

この頃はすでに地中の根はかなり広がっていますので、株元だけではなく、畝の両側の溝などにかん水します。

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