ソラマメの大敵はアブラムシです。
年内では、10月~12月にかけて温度が高く雨が少ない年に発生しますので、育苗時や生育初期にアブラムシの飛来防止をすることが大切です。
春になり暖かくなる4月~5月は、特に多くのアブラムシが発生しやすくなります。
アブラムシは茎や葉から汁を吸い、株を弱らせます。さらに、ウィルス性の病気を媒介することがあります。
葉が縮み、大きな実がとれない
アブラムシがウイルス性の病気を媒介すると、葉が縮み、大きな実がとれないといった症状がみられます。その主なものはモザイク病またはえそモザイク病と呼ばれる病害ですが、その病原となるウイルスには5種類あって、ウイルスによって症状が異なります。
モザイク病
- ソラマメウイルトウイスル2:葉に黄緑色と緑色の鮮明あるいは軽いモザイク、えそを伴うモザイクが発生
- インゲンマメ黄斑モザイクウイルス:葉に鮮明なモザイクが発生
- エンドウ種子伝染モザイクウイルス:葉が細くなり、葉脈緑帯が発生
- スイカモザイクウイルス:軽いモザイクとえそが発生
- クローバーイエローベインウイルス:
えそモザイク病
葉に褐色の斑点、葉脈にえそが生じる。さらに進むと、葉全体が赤褐色になり落葉する。茎には赤褐色のえそ条斑が生じ、頂葉や若いわき芽に退色斑点や主脈に沿った斑紋が生じる。
キラキラ光るものを嫌う
アブラムシはキラキラ光るものが嫌いなので、シルバーやシルバーストライプのマルチ、あるいはシルバーテープを使うことで、アブラムシの飛来を抑えることができます。
草丈が60~70cmになったら、株から少し離れた四隅を囲むように支柱を立てて、紐を渡してソラマメの倒伏を防ぎますが、この紐をシルバーテープにすれば、アブラムシ対策にもなります。
発生数が少ないうちは、捕殺します。見つけ次第、手袋をした手で払い落とせば、アブラムシは死にます。
茎の先端を切り落とす
アブラムシは、柔らかい茎の先端に付くので、株の約70cm以上のところにを切り落としてしまうことも、防除のためには有効です。
株の上部に咲く花は、収穫に至らない無駄花が多いので、減収の心配もありません。
上部に無駄な栄養が行かなくなるため、その分下部に付いた実が大きくなります。また、倒伏の防止にもなりますので、一石三鳥とも言えます。
殺虫剤を使う
アブラムシが短期間に大量に発生したときは、殺虫剤での防除が必要になります。
ソラマメのアブラムシ対策に有効とされる農薬はいくつかありますが、その中から、家庭園芸向けの汎用性の高いものを使用するのがよいでしょう。
ちなみに、コアシスファームでは、主にベニカベジフル乳剤を使用しています。