大根の又根とは
ダイコン栽培のよくある失敗の1つに、ダイコンが二又になるなど、又根ダイコンになってしまうことがあります。
たまに農家の庭先直売所にあったりもしますが、普通は売り物にはなりません。
別に売るためのものでなければ、十分食べることはできますし、人の足にも見える大根が二又になれば、より人が形に見えたりして面白いと、よくSNSにアップされている又根写真も見ます。
はじめのうちは面白がっていても、調理するときには使いにくいですし、順調な生長が阻害されているので、味も微妙に落ちるような気もします。やはり真っ直ぐに伸びた綺麗な大根を収穫したいものです。
又根の原因
又根の原因は1つではなく、以下の原因があると言われています。
- ダイコンの根が土中に伸びるときに、固い石や土の塊などの障害物があるときに、それを避けて根を伸ばそうとするために又根になる
- 未分解の堆肥等の肥料に当たると、これも障害物同様に、肥料を避けて又根になる
- 間引きが遅れて、長く倒れた状態にある
- 土壌中のセンチュウに加害される
- 水の発生源が近いところにあるなど、根が下に伸びにくいとき
又根の対策
又根の原因を見ると、栽培の途中でどうにかできることではなく、何より最初が肝心です。
大根十耕
又根の原因は、上記のとおりいくつもありますので、それぞれの対策が必要となりますが、この中で最も多いのが、固い石や土の固まりなどの障害物だと言われています。
ですので、対策の第一は、よく耕し、石などの障害物を取り除くことです。
なので、昔から「大根十耕」などと言われ、10回耕すくらいの気持ちで、良く耕し、しかも、深く耕すことが大切です。
堆肥を早めに投入
未分解の堆肥が原因となることに対しては、堆肥を少なくとも種まきの2週間以上前、あるいはダイコンの前作の時に投入し、堆肥を十分に分解させることが大切です。
また、未熟な堆肥を種の直下に与えないようにすることも、大切です。
短根品種を選択することも
深く耕すと言っても、耕土が浅くて難しい場合もあるでしょう。
その場合、比較的根の短い品種を選択することも良いのではないでしょうか。
短根のダイコンとしては、聖護院大根が有名ですが、そこまで短くなくても、根長が短めのダイコンを選べば、又根を避けやすくなります。
ダイコンの種のカタログには、標準的に根長が記載されていますので、これを参考にして選ぶのも良いでしょう。