家庭菜園で、まず何を作るかと言えば、第一に挙がるのがトマトだと思います。稀にトマトを嫌いな人もいるかも知れませんが、家庭菜園のメニューにトマトは欠かせません。
トマトの種類はバラエティに富んでいる
トマトは、大きさで言えば、大玉、中玉、小玉(ミニ)に分けられます。果色も、最も多い赤から、黄色、オレンジ色、珍しいものでは黒紫色や、熟しても緑色のものなど様々な色があります。さらに、形も丸いものから、長細いものとあります。
畑に余裕があるなら、ぜひとも複数の品種を組み合わせて栽培することで、栽培や収穫、食卓でも、バラエティに富んだトマトを楽しむことができます。
トマトは見た目だけでなく、味も少しずつ違います。特にたくさんとれすぎたときでも、種類がバラエティに富んでいれば、飽きることなくその違いも楽しみながら、栄養豊富なトマトをたくさん食べることができるでしょう。
トマトは比較的育苗しやすい
トマトは初心者でも、比較的苗を育てやすいので、種から育てることをお奨めします。
トマトの発芽温度は24~30℃と高いので、育苗器など必要な温度にできるものが必要となりますが、発芽後は比較的低温にも耐えることができます。
トマトの播種適期は、3月~4月頃です。加温ができるなら早めの種まき、できないなら暖かくなってからの種まきがよいでしょう。
少ない株数でいろんな種類のトマトを楽しみたいのなら、種を購入しても無駄になってしまうので、苗を購入した方がよいでしょう。
2023年コアシスファームトマト作付計画
ちなみにコアシスファームでは、23年は6種類のトマトを栽培したいと思います。
今までの経験上、収穫時期をずらすための、播種時期をずらしても、あまりうまくいかず、特に後半に播種した方が収穫量が少ない傾向にあります。ですので、育苗器のキャパの関係で少し3回に分けるものの、基本的に3月上中旬に全て種まきをしてしまいます。
また、早めに播種しておけば、万一失敗した時も、後からの播種でフォローできます。
大玉トマトのお奨め品種ー麗夏
大玉トマトは、多くの品種がありますが、露地栽培で作りやすい品種は、それほど多くありません。
麗夏(サカタのタネ)
家庭菜園でつくりやすい、大玉トマトの品種は、サカタの「麗夏」がイチオシです。コアシスファームでも、ここ数年はこれ一択です。
麗夏の最大の特徴は裂果が少ないことだと思います。
以前他の品種を栽培していたのですが、大玉トマトを露地栽培すると、どうしても裂果が多いことが悩ましかったのですが、麗夏は裂果がほとんどありません。
その他、以下のような特徴があります。
- 赤く熟してから収穫できる。そのため、リコピンなどの栄養価が高く、熟した美味しいトマトが収穫できる
- 露地栽培で育てやすく、病気(半身萎凋病、葉かび病、斑点病)に強い
- 裂果が少なく、果肉はしっかりしていて日持ちが良い
中玉トマトのお奨め品種
中玉品種は、それほど品種は多くなく、ミニトマトに含めてしまうこともありますが、あえて中玉品種として紹介します。
フルティカ(タキイ種苗)
果重さが45~50gの赤い中玉品種です。
中玉トマトの中では甘みが強く、裂果が少ないことが特徴です。
ミニトマトのお奨め品種
ミニトマトは、非常に多くの品種があって、実際に栽培したことがある品種は限られるため一概には言えませんが、コアシスファームの定番となっている品種を紹介します。
千果(タキイ種苗)
赤いミニトマトの代表的な品種で、作りやすく、甘みが強い品種です。
極早生なので、収穫開始時期が早いことも特徴です。
千果にはいくつか種類があります。主にどの病気に対して耐病性があるかの違いです。
病気はどれが発生するか予想は難しいですが、「TY千果」は加えて裂果しにくいという特徴を併せ持っています。
- 千果
- CF千果:葉かび病・斑点病に強い
- TY千果:トマト黄化葉巻病に耐病性があり、裂果しにくい
- 千果99:黄化葉巻病Ty-2型、葉かび病Cf9型に加え、斑点病に耐病性がある
オレンジ千果(タキイ種苗)
その名のとおり、オレンジ色のミニトマトで、千果同様に作りやすい品種です。
食味は、赤い千果よりも強く、特有の甘さがあります。
カロテンの含有量が千果の3倍あるとされ、健康にもとても良いとされています。
カロテンとは、緑黄色野菜に多く含まれる黄色から赤色を示す脂溶性の色素成分で、活性酸素の発生を抑える抗酸化物質として、動脈硬化や細胞の老化等の予防に役立つとされています。
イエローアイコ(サカタのタネ)
黄色で縦長の実で、フルーツに近い爽やかな甘みが特徴です。
1粒の大きさも、18~25gとやや大きめで、食べ応えがあります。
この他にもいろんな品種がありますので、ぜひいろんな品種の栽培にチャレンジして、自分に合った品種を見付けて下さい。